「記憶屋」という、誰かの記憶を消すことが出来る人間がいるという都市伝説を知った主人公の遼一は、自身の体験から、「都市伝説」が実は都市伝説ではないと感じ始め、「記憶屋」の正体を追い始める。その過程で起きる出来事を描いた話。
全体的に女子中高生向けといった印象かもしれないが、女子中高生が読んでも首をかしげるのではなかろうか。
キーパーソンを差し置いて別人物によるエピソードが途中で長々と入るため、ストーリーを追うのに手間がかかる。このエピソードが各キャラクターの理解を深めて感情移入する助けになれば良いのだが、出来事だけを消化しているために、結果的にキャラが薄っぺらい。また、1冊の中にテーマとなる話が複数乱立しているため、物語の構造を把握しづらい。
ただし「記憶屋」というテーマ自体は良かったのと、一応はキーパーソンの言っていることも理解できたのと、最後の1ページの説得力はあったので続刊も買う。
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